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インテリア世界史 ~テクタに宿るバウハウスの思想~

2012年2月に宮の森店と駅前店にて、大好評開催だった「バウハウスフェアー」。店内特別スペースでは、普段は決して見ることが出来ない貴重なアイテムを展示、また、2月18日にはACTUSから平井さんを講師にお招きし、TECTA(テクタ)に宿るBAUHAUS(バウハウス)の思想について、セミナーも行いました。今回は、そのセミナー後に、インゾーネのスタッフがインタビューを行った模様をお伝えします。

平井 清隆

講師:平井 清隆 (Hirai Kiyotaka)

1984年よりACTUSに勤務。全国の直営店店長、ヨーロッパ地区バイヤーを経験。自社商品の販売促進を社内及び社外インテリアコーディネーターへのセミナー講師を経験し、現在、新規事業部でヨーロッパブランドの販売促進を行なう。大学在学中、バウハウスの歴史に触れ、バウハウスの歴史研究に没頭。北欧家具や、イタリアンモダンの歴史も研究。不変なデザインと進化する  デザインに敬意を表する。

予習キーワード

BAUHAUS(バウハウス)

BAUHAUS(バウハウス)
『バウハウス』とは、20世紀初頭にドイツで開校した世界で最も有名なデザイン学校。ナチスの弾圧によってわずか14年で閉校へと追いやられましたが、先鋭的な思想とプロダクトを打ち立て、後世の建築・デザイン界に大きな影響を与えたことで知られています。

TECTA(テクタ)社

TECTA(テクタ)社
今尚、バウハウスのデザイン哲学と当時のプロダクトを「家具」というカタチで現在に伝えるのが、ドイツのブランド『TECTA(テクタ)社』。ACTUSでは、テクタ社の商品も数多く扱っています。

モノづくりに表れる、ドイツ人の感性。

インゾーネスタッフ(以下S)
S :
今回のセミナーでは、バウハウスの歴史、政治的背景を紐解きながら、バウハウスの思想哲学や、それを受け継いだテクタ社のことについて、講演をしていただきました。ここからは、「インゾーネのほん。」というWEBマガジンに掲載するインタビュー記事として、お話を伺いたいと思います。
まず、世界で最も有名なデザイン学校を生んだ、ドイツについて僕は興味があるのですが、ドイツ人はどんな感性を持っているのでしょうか?

平井:
私がこれまでの経験から感じているドイツ人の印象としては、何事においても丁寧で、非常に几帳面であると言うところでしょうか。モノ作りに対しても同様で、一つ一つが作りこまれているのはもちろんですし、Made in Germanに誇りを持っているという感じがします。
十数年前に出張で、フランス・イタリア・ドイツの3か国を訪問した時、それぞれの国でタクシーに乗ったんですが、タクシーだけでも各々のキャラクターが表れていて面白かったですよ。
例えばフランスでは、シャルル・ド・ゴール空港からパリのホテルまで向かう車内、外は霧と雨というシチュエーションの中、外の街並みを眺めるわけでもなくドライバーも特に話しかけて来ず、聞こえてくるのは雨の音だけ。決して乗り心地が良いとは言えませんでしたが、パリに近づく頃、フランス語のシャンソンを流してくれたんです。洒落た演出するでしょ?(笑)
かたやイタリアに行くと、もう言葉が通じる通じない関係なく、とにかく話しかけてくるんです(笑)。もう本当に陽気な方で。
そしてドイツのドライバーは、運転が非常に慎重。タクシーと言えど、乗っていたのはドイツが誇るメルセデス・ベンツで、乗客にベンツの性能をきっちりと伝えるために、コーナーの曲がり方とか、乗っている乗客に対してストレスを感じないように運転してくれたんです。そういった経験から、
フランス人は雰囲気に浸らせてくれる能力が優れている。
イタリア人というのは和ましてくれる能力が優れている。
ドイツ人は丁寧で、几帳面。
そんなふうに私は感じましたね。
平井:
ドイツ人は、丁寧で几帳面というのが、私の印象ですが、モノづくりに対しての誇りがよく伝わるのが、車産業の事例です。ドイツと言えば、ベンツが有名ですが、他にアウディも有名ですよね。これはアウディのメーカー担当者から聞いた話ですが、アウディは昔から、インゴルシュタットという田舎町で製造しているんですよ。日本人は船で輸入したものしか手に入れる事しか出来ないんですが、ヨーロッパの人は、自分の車が出来ましたよという連絡を受けたらインゴルシュタットまで電車で取りに行くんですって。そこでキーを受け取って、そこから運転して帰るらしいんです。私は、それがMADE IN GERMANYという物を手に入れる醍醐味なのかなと感じます。もっとも、他の国からもデザイナーを受け入れたりはしていると思いますが、モノづくりという部分だけはMADE IN GERMANYから外さないという所がドイツらしい。

S :
何だかクラフトマン的な感じがしますよね。ドイツ人のモノづくりに対するプライドがバウハウスを生み出し、今も尚、テクタ社に受け継がれているのだと理解できます。

永遠に変わらない、カッコよさ。

S :
バウハウスの家具については、一度はどこかで目にしたことがあっても、それ以上のことはよく分からないという方も多いと思います。でも、歴史的背景や、世界に与えた影響など、知れば知るほど面白いのがバウハウスですよね。そんなバウハウスの思想を継承するのがテクタ社であり、ACTUSでもテクタ社のブランドを扱っていますが、ACTUSとしては、どんなところに魅力を感じていますか?
平井:
テクタ社はそもそも、商品を大量に流通させることを望ましいとは考えていません。だから私たちも、量を売るというよりも、デザインをお客様に対してきちんと伝え、提供するというスタイルを保っています。それが逆にブランドを潰さないでいられるというか。ブランドの魅力ももちろんありますが、テクタ社と長く付き合っていくに従って、社長の人柄とか職人さんの人柄とか、彼らの人間性も含めて、魅力的だと感じています。僕自身も、バウハウスの代表的デザイナーであるマルセル・ブロイヤーの男らしさとか、そういった人間性から出てくる作品に魅かれていますね。誰がどういう想いで作ったとか、後からその歴史を知ると余計に、バウハウスの家具を味わう醍醐味が出てくるような気がします。
S :
平井さんご自身でも、ブロイヤーのスツールを使われていると聞きましたが、やはりブロイヤーのデザインだからこそ、というのはありますか?
平井:
ありますね。バウハウスの家具は、座り心地などで言えば、もちろん十分いいんでしょうけど、バウハウスに惹かれる人は、そこが一番なわけではないと思いますね。
それこそ最初にバウハウスを知ったのは、大学時代の授業で、使っていた資料の中にあった、バウハウスの椅子の写真なんですが、初めて見た時は、もうどうしようもなくカッコイイなと思いましたよ。もう何十年も昔に作られたものなのに、カッコイイと思える。カッコイイものって不変的なんだなと思いました。ファッションって、かっこ良くても波があるじゃないですか。スリムのスタイルが流行ったり、ダボダボのスタイルが流行ったりとありますけど、インテリアには波って無いような気がするんですよね。何十年経っても、国や文化が違ってもカッコイイと思わせる家具を作る。それがバウハウスなんです。

インテリアを愉しむコツ。

S :
それでは最後に、インテリアを愉しむコツを教えて頂けたらと。
平井:
やっぱり、歴史の長いヨーロッパにインテリアを学ぶと、一つ一つの作品を見る目が変わると思いますね。インテリアの基本は、自分がその空間に居て心地良いとか、ゲストが来られた時に「素敵な空間ですね!」と感じさせるものだと私は考えています。そんな空間を手に入れるには、歴史の長いヨーロッパのインテリアを十分勉強した上で、それを日本なりにアレンジしていくというのが大事かなと思いますね。
S :
僕もインテリアの感度を高めたいなと思って、イタリアのアパルトマンの写真が沢山載ったものを手に取ったりします。ヨーロッパのインテリアって、日本じゃなかなか真似出来ないなと思いながらも、勉強になります。

平井:
そうですね。日本の住宅でも今は畳ではなくて、洋間がベースになっているので、そこに入ってくる家具、インテリアってのは基本的にやっぱり、その洋間の出元であるヨーロッパに学ぶというのが、空間の中に美しく収める為の、第一歩かなと思います。

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