インゾーネのほん。札幌のインテリアショップinZONEwithACTUSのWEBマガジンです。

プロフェッショナルな人のテツガク - さまざまな業界で活躍されている人から学ぶライフスタイル

2013.06.11

20130611_001.jpg

#01 デザインって、通訳みたいな感じかな

佐々木信さんがデザインの領域からショップへと活動を拡大させたのは、2007年11月23日。東京が本店のデザインセレクトショップ「D&DEPARTMENT」の全国展開1店舗目として札幌店をオープンさせ、「息の長いその土地らしいデザイン」をコンセプトに、北海道のロングライフデザインの発掘・発信を続けています。

3KG代表/クリエイティブ・ディレクター 佐々木 信さん

3KG代表、D&DEPARTMENTのディレクター、DRAWING AND MANUALのクリエイティブ・ディレクター。編集プロダクション勤めの後フリーランスになり、3人のデザイナーで3KGを名乗る。2007年、北海道出身でもあるデザイナー ナガオカケンメイ氏と出会い、北海道立近代美術館近くにD&DEPARTMENT札幌店をオープン。2012年、5周年を迎えた。印刷物やホームページ、映像などのアートディレクション、デザイン、イラストなどを手がける。AIR DOのマスコットキャラクター「ベア・ドゥ」、札幌市交通局のICカード「SAPICA」の生みの親でもある。

20130611_002.jpg


お客さんの顔が見えると、デザインにも社会性が生まれる


僕たちって、コンピュータでデザインができるようになった最初の世代なんです。それまでは雑誌をつくるのに専門的な知識が必要だったけれど、コンピュータで誰でもできるようになった。それと、僕たちはCDの世代でもあって、レコードよりぐっと小さくなったCDを面白がってデザインする人たちが出てきてました。僕自身も音楽は好きだけれど楽器は弾けなくて、でもデザインで音楽に関われると思ったんです。だから、雑誌と音楽がデザイナーになったきっかけですね。


デザインって、通訳みたいな感じだと思います。なにかを伝えたい人がいて、伝える相手がいて、ダイレクトに話すとよくわからないけれど、僕らが間に入ってわかるようにするというか。


純粋にデザイン会社だったときに比べると、お店をはじめてからお客さんの反応が直接的にわかるので、デザインの機能性や社会性を考えるようになりました。ただ、機能するデザインだけだと世の中つまんなくて、とがってたデザインの人もいたほうがいいと思ってて。音楽でいえばクラシックだけじゃなくて、パンクもあっていいみたいな感じですね。


僕たちはお客さんの顔が見えているので、わりと機能的なデザインをするタイプだけれど、全然そうじゃなくて無条件に目立つみたいなデザインも世の中にあったほういいと思っています。



20130611_003.jpg

20130611_004.jpg


カッコいい、といわれる北海道プロダクツへ


D&DEPARTMENTは前から知っていて面白いなと思っていたけれど、まさか僕らが関わることになるとはね。ただ、お店をやりたいという気持ちもあって。同じころ、D&DEPARTMENTのナガオカケンメイさんが全国にお店をつくりたいと思っていて、「じゃ、コレやってみる?」っていう感じではじまったんです。


ロングライフデザインというコンセプトにも共感したけれど、ナガオカさんはもともとデザイナーで、D&DEPARTMENTはデザイン会社がはじめたお店なので、僕たちと体質が似てた。デザイン会社がつくったお店という意味でも共感してたんじゃないかと思います。


北海道を意識しはじめたのは、お店に携わることになってからですね。昔はフィンランドのiittalaなどがカッコいいと思っていたけれど、いまは、たとえば旭川の工房の製品とヘルシンキのクラフトのなにが違うんだ、同じだろうと思えるようになってきました。旭川も、ヘルシンキと同じようにカッコよくなれる、カッコよくするのが僕らの役割かなと。


メディアに先導されるんじゃなくて、僕たちがカッコいいと思って伝えていけば、50年くらい経つとiittalaと同じようにカッコいいものになっているかもしれない。北海道だから無条件にいいとは思ってないですけれども、通用するものはあるし、もう少しうまく伝えることで拡がっていくだろう、と思っています。



20130611_005.jpg

20130611_006.jpg


デザイン会社・販売店・飲食店、3つの異文化が絡み合う面白さ


僕のいまの役割をひと言で表すならば、接着剤ですね。D&DEPARTMENTのほかに、系列のDRAWING AND MANUALという制作会社にも関わっていて、肩書き的にはクリエイティブ・ディレクターだけれども、クリエイティブ・ディレクターっていうのは困ったときに登場する人で、制作会社とお店が直接やりとりしても文化が違ってうまく話が通じないときに、僕が入って間をつないでいます。


3KGはDRAWING AND MANUALとD&DEPARTMENTをくっつけて小さくしたような会社で、半分はデザイン会社で半分はお店だから、両方のことがわかる。そこが、僕が橋渡しをできる理由ですね。


僕自身もデザイン会社でスタートして、お店をはじめて、カフェのpippinさんにも入っていただいて、最初はその3 つが文化の違いからうまく絡まなかった経験があります。でも、いまはうまく絡んでいる気がしてますね。


たとえば木製のカップがあって、お店では商品として売り、デザイン会社ではつくっている工房の仕事をして、pippinではそのカップでコーヒーを出す。ひとつのモノに対して、デザイン会社としてもアプローチできるし、お店は販売、カフェはそれを実際に使える。で、最終的にそれを「いいな」と思ったお客さんが買って家で使う。そういうのが面白さなんだな、と思っています。


僕は、安いとかデザイナーが誰だということでモノを売りたいわけでも、そのモノを題材にカッコいいポスターをつくりたいのでも、カフェでこのカップを使いたいだけでもない。「売る・伝える・使う」が複合的にあって、モノ単体ではなくてストーリーもつけて伝えていきたい、そう思ってるんです。その複合こそが、たぶんデザインとお店の両方をやっている面白さだろうと。


それが北海道の製品だとより面白くて。拡がっていける潜在力とその結果が50年先の「カッコいい」につながると思うので、できるだけそういうことに関わっていきたいですね。



20130611_007.jpg

編集:Mammy Pro 文:佐藤まゆり 撮影:宮澤修一(フリーク)

20130611_008.jpg

D&DEPARTMENT PROJECT SAPPORO by 3KG

47都道府県に1カ所ずつ現地のパートナーと共に拠点をつくる「d47」の1店舗目としてオープン。札幌から世界に向けてクリエイションを発信するデザイン会社「3KG」が、北海道のロングライフデザインを提案。

北海道札幌市中央区大通西17丁目1-7
http://www.d-department.com/jp/shop/hokkaido/

営業時間 ショップ/12:00~20:00
     カフェ/火~土 12:00〜22:00(LO 21:00)/日・祝 12:00〜21:00(LO 20:00)
定休日  月曜日


COMMENTS

RELATED POST


inZONE with ACTUS 宮の森

inZONE with ACTUS 宮の森

〒063-0802 札幌市西区二十四軒2条7丁目1-14
(地下鉄東西線 二十四軒駅から徒歩6分 専用P 25台)
tel 011-611-3939 fax 011-611-3233

inZONE with ACTUS 札幌駅前

inZONE with ACTUS 札幌駅前

〒060-0003 札幌市中央区北3西4丁目
(日本生命札幌ビル 商業棟 1階)
tel 011-280-3939 fax 011-280-3940

特集

インテリア
チャレンジコレクション
プロフェッショナルな人のテツガク
レシピ


オーナーズライフ

インゾーネの家/注文住宅
M+/リノベーション


カルチャー

ワインゾーネ
インゾーネクッキング
イベントレポート

コラム

スタッフのお気に入り
宮の森通信
カトウの日常
谷本の酒ログ


ライフスタイル

ブック
ミュージック
フラワー
ムービー