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プロフェッショナルな人のテツガク - さまざまな業界で活躍されている人から学ぶライフスタイル

2014.04.08

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#07 時どきの音を紡ぐ

幼いころよく耳にしていたのは、母が好きだったビートルズ。多彩な音を奏でるクラシックギターに惹かれ習いはじめたのも、人生初のCD購入でサイモン&ガーファンクルを選んだのも、小学生のときだったという佐々木恒平さん。音に対して早熟な、多感な少年期を過ごしていたようです。

サウンドデザイナー/作曲家 佐々木恒平さん

1984年生まれ。幼少よりクラシックギターを宮下祥子氏に師事。バンド活動を経た後、独学で楽典を学び、サウンドデザイナーに。生楽器、環境音、抽象音などを多用する多ジャンルな楽曲スタイルで、主にTVCM、ラジオ、映画、企業VP、ショーなどのイベントをフィールドに、映像音楽・空間音楽で好評を得る。インゾーネのHACO STYLEおよびソファのTVCMの曲も担当。2013年8月リリースの【Some Other Time】はiTunesエレクロニックの最高ランキング4位を獲得。

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音の深みにはまって


中学生のときに新聞配達で貯めたお金で買ったMTR、マルチトラックレコーダーっていう機材なんですけれど、それが今のサウンドデザインの原点です。歌を採って、ギター採って、ベース採って、いろんな音を組み合わせられる、簡単にいえば家でレコーディングができる機材。それで、なんちゃって作曲してました。

中学を卒業してすぐに美容師の世界に入ったので、作曲からはしばらく離れていましたけれど、好きではじめた美容師をしながらも「音楽やりたい。音楽やりたい!」と禁断症状的なものが出てきて。美容師をやめた後にロックバンドをやって、でもバンド解散で一人になって、だったら一人でなんでもできるのがいいな、どうせならそれで食えるようになろう、と。18〜19のころですね。今さら音大も無いだろうと思ったので、音楽大学に行ったつもりで2年間、真剣に独学しました。

独学の時期はホントひきこもってましたね。移動中も紙に書いてある鍵盤を見ながら思考して、楽典の本を広げながら頭の中で想像して、ということをやっていました。はたから見れば、かなり気持ち悪い人だったと思います(笑)。でも、一つひとつのことがわかってくると、面白いんですよね。ド・ミ・ソのミの音を半音下げると暗い和音になる、とか。すごいシンプルなんですけど、すごく深いんです。ほんのちょっとの差なんですけれどもね。そういうのをひたすら勉強していました。

サウンドデザインということ


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サウンドデザインとはなにかを少し説明すると、録音をしたり、効果音をつくったり、それを含めての作曲をしたり、音源にしても手法にしてもより幅広い領域で曲をつくります。サウンドデザイナーの仕事はグラフィックデザイナーとほぼ変わらず、依頼主のイメージを聞き、ラフを描き、提出し、修正し、クライアントと相談しつつ決めていくというプロセスを取ります。

インゾーネのソファのTVCMのケースでいうと、ソファの木枠などが発する音を録音してサンプリングし、パーカッションに使ったりしています。先に5分くらいの長いバージョンをつくって、そこから音を抜いたり足したり、絵コンテに合わせてアレンジを変えていったり。そういう意味では、インゾーネのTVCMは作曲した上でのサウンドデザインですね。最終的にはクライアントや映像作家とすり合わせを行いますが、すり合わせは、精一杯いいものをつくるために意見を交える場であって、つくるものに妥協はありません。

仕事で受けているものにはほとんどタイトルをつけず、曲番で管理しています。管理がしやすいのと同時に、クライアントや編集の人など聴く人に余計なイメージをつけないためです。自然に入っていく音というか、その人の感性で好きに聴いてくれればいい。つくり手の意思がどうこうよりも、聴いている人の頭の中が重要なんです。だから、主張しない音づくりを心がけていますし、余計な情報は省きたいからタイトルはつけません。

世の中に満ちあふれる音をさまざまに加工し、組み合わせて、例えば映像に合う音、表現したい音につくり込んでいく。環境音が環境音楽に変化したり、ピアノをサンプリングした音だけでポップスみたいな曲をつくるとか、地下歩行空間に流す曲ならば人の歩く音や話し声など地下歩行空間で採った音を多用するとか。そういうのがサウンドデザインかな、と思います。

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音楽ワークを超える音の世界


どの音源が好きとか、そういうこだわりはありません。その時どきの思考の中で曲をつくっていますね。音のサンプリングも常日頃で、その辺に関しては病気みたいなものでしょうか(笑)。なるべくプライベートな時間には考えないようにと思っているんですが、やっぱりしょうがない部分でもあって。無になる時間は家のネコと戯れているときとかだけれど、それでも「ネコのゴロゴロを取りたいな」と(笑)。それは考えています。

僕にとって音は日常です。音は、例えばヘアサロンであればシャンプー台やブローの音で、BGMでかかっているのは音楽。口ずさめるものが音楽で、口ずさめないものが音だと考えてもらうと、わかりやすいかもしれません。サウンドデザインでつくるのは音と音楽の両方で、僕は仕事のことを「音楽ワーク」とはいわずに「音ワー」といっています。

この先やってみたいことですか? 僕の曲をプロのすごい演奏家に演奏してもらいたいかな。クラシックの人でもロッカーでもかまいません。あとは、やっぱり映像に合わせる曲づくりが個人的に好きなので、もっとその面の幅を広げたいな、と思います。そういう意味で気になっているのが空港です。僕、とても空港が好きで。飛行機が好きというよりは、空港の非日常的な雰囲気がものすごく好きなんです。出会いも別れもあるでしょ。映像のほかに、文章も加えて、なにかしたいなと思っています。文章は、ポエトリーでもナレーションでも字幕でもいい。それぞれの専門家と物語を一緒につくってもらうというか。そんなことを考えています。

取材協力:R628 編集:Mammy Pro 文:佐藤まゆり 撮影:小森学(Volanti)

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